一般外来での治療方針
当院では、一般外来では、カウンセリングの技法を取り入れた治療をおこなっております。
東海大学病院で治療に当たっていた時期から、一般外来では、それほど長い時間をとれませんでしたが、精神分析学を学んだエッセンスを用いて治療をしてきました。他にも認知行動療法的なアプローチを用いたり、環境調整を主体にしたり、いろんな方法を取り入れておりました。
患者さまの病状に合わせてむしろはっきりと「これをやってください」ということもあります。(うつ病の患者さんに、危険だから休職してくださいということもあります)
でも、、、本当は、ヒントだけ差し上げて、ご自分が気付くまで待つというのが私の基本的なスタンスです。
これは、私が精神分析学を学んできたときに、指導医から「患者さんが自分で気付いたことを大切にしなさい」「患者さんが自分で気づいたことは患者さんの手柄」と繰り返しいわれていた事からそうしていることです。
ただ単に説明したり、説得したりして「頭で分かること」と「腑に落ちる」事が、別の次元の話だからです。
一般的な説明は致しますし、その状況に応じてヒントも差し上げたり、一緒に考えることももちろんしますが、どちらかというと、患者さまがご自身で考えるのを待っている事が多い気がします。ご自分で考えられるようになった方が、後々応用が利くと考えるからです。
直接的なアドバイスを期待される方には、もしかしたら、期待はずれになるかもしれません。
一般外来における環境調整についての治療方針
一般外来で、患者さまだけでなく、ご家族、あるいは、ご本人の同意があれば、職場の方の同席で説明をすることもございます。 これは普通に行っていることです。
一般外来の時間以外では、一般外来の枠で済まない環境調整などを行っております。
後で復職について記載する予定ですが、休職中の患者さまが復職をめざしている方の場合、職場の制度(体制)や上司の理解が得られないとスムーズに進めることが出来ません。
ご自身への職場復帰についての説明は一般外来の中で行っていきますし、一般には、職場の方への説明もその中で行っております。
八戸マナクリニック 心療内科 精神科 院長 岡田 元
仕事探しについて
今回は仕事探しについてです。
うつ病などで明らかに安静が必要な方には、病状が悪化するため仕事探しをしてほしくない方もいらっしゃり、一概に言えない部分がありますので、ご了承下さい。
以前から、通院中の患者さまから、病状がよくなってきて就職したいと希望され、一緒に考えることはありました。
この半年急速な景気後退のためか、患者さんから仕事探しについて、相談をうけたり一緒に考えたりすることがことさら多くなってきました。
とくに高校生や大学生で、これから仕事を探したいと思う方。現在失業中の方からも、多く聞かれます。また仕事をしていて、転職先を探したいという方からもです。
私は、就職の専門家でもないので、心の問題の専門家として話をするほかないのですが、気になる点があります。それは自分のしたいことを抜きに就職を考える方がいらっしゃることです。
相談をなさる多くの方が、仕事を求めるために「資格を取って」とおっしゃることが多いのです。どうやら、資格や、就職口についてアドバイスをしてくれるかたはたくさんらっしゃるようです。
私も資格をはじめ、自分の能力を磨くことは大切だと思います。
はい、私も専門職ですから、この努力をしないで今の仕事をしていくことは出来ません。
仕事がないので資格を取りたいとおっしゃる方には、わたしから質問しております。
たいてい「本当にしたい仕事は何ですか」とか「どんな仕事をやりたいですか」、、、
これで答えが返ってこないときには「どんなことに興味がありますか」と。
もちろん「好きなこと」だけやっていれば就職に結びつく可能性はとても少ないかもしれません。
一方で、資格や今ある就職口がどれだけ役に立つのかは、数年先を考えるとよく分かりません。
その時代ごとの「花形企業」ってありましたよね。でもそれがずっと続くかというと、、、続いていない方が多いのではありませんか?
将来の経済状況はだれにもよく分かりません。結局は今の状況で仕事を探さなければならないのでしょう。
ただし、仕事選びの基準に注意をしていただきたいので以下の説明をしています。
1.社会や会社から求められていること(仕事)
2.自分の能力
のふたつに加え
3.自分のやりたいこと
を加えて考えていただければと思います。
上記1.2.だけで考えて仕事探しをすると、嫌いだけど、能力があって出来てしまう→仕事が見つかってもストレスがたまる。となってしまうのではないかと思います。
上記の1.3.だけに焦点を当てても2.の能力がなければやっていくことが難しいでしょう。
1.2.3.とバランスよく考えられればいいですねとお伝えします。
もちろん、このご時世で理想通りの仕事先を探す事は出来ないかもしれません。もしそうだとしても、仕事探しを通してご自分の将来を考えるきっかけにしていただきたいと願っています。
2009.7.20記
代替医療について
当院の診療中によく患者さまから聞かれる質問がございます。
お話を伺っていて、おそらく、一般的な薬物療法というと、なんだか怖いのだろうなぁと思います。また、漢方薬、サプリメント、カウンセリングには副作用がないか少ないと思われているのでしょう。
当院でよく使うお薬は、向精神薬(抗うつ薬、睡眠薬、精神安定剤など)ですが、いずれも、厚生労働省が認可したものばかりです。それでも副作用もございますので、お薬の説明を致します。特に依存性の問題をご心配になるのでしょうが、医師の指示通り飲んでいれば安全である薬がほとんどです。
また、薬物療法も含め、環境調整、物事のとらえ方や対処法を含め、様々な治療法がございます。そのなかから患者さまにあっているだろう治療法を、医師は患者さまと一緒に考えていくものです。
さらに特にうつ病のような疾患ですと、抗うつ剤を使った方が改善が早いことも知られています。
この誤解が解けると、抵抗が無くなる方もいらっしゃいます。
一般的な治療についてご理解いただけたら、上記質問にお答えしていきます。
漢方医による診療は、西洋医学と違う考え方で行います。漢方薬は限定的に出す場合もございますが、基本的には漢方医の先生に見ていただくことが治療の近道だと考えています。
これは、学生時代、私の主治医が漢方医だったことが影響しているかもしれません。本格的に漢方のみで治療をなさっている先生で、問診や視診、触診を非常に重視し、くまなく観察していらっしゃいました。とてもお世話になったのです。そして、漢方薬には多少詳しくなりましたが、私には、その先生を超える自信が無く、教えていただく機会も充分には作ることが出来ませんでした。 単に症状に合わせて漢方薬を出すことは私には出来ません。
漢方薬にも副作用は知られております。漢方を専門に行っている先生を受診されるようお願いしたいと考えております。
多くの場合、実物を見せていただいた上で、判断しております。有効な成分について記載されたものがあれば一緒にお持ち下さい。
特にセイヨウオトギリソウ(セントジョンズワート)は多くの薬物と相互作用をするので、厚生労働省からも注意が必要であると喚起されているのです。このため、出来れば避けていただきたいものです。
現在、当院では時間をとってのカウンセリングは行っておりません。
可能かもしれません。
また、お薬を使わず、一般外来で治療をしている方もいらっしゃいます。
ただ、カウンセリングは無害とは言い切れません。
注意を払わないと、意味がないだけではなく傷つくかもしれません。
今回は仕事探しについてです。
うつ病などで明らかに安静が必要な方には、病状が悪化するため仕事探しをしてほしくない方もいらっしゃり、一概に言えない部分がありますので、ご了承下さい。
以前から、通院中の患者さまから、病状がよくなってきて就職したいと希望され、一緒に考えることはありました。
この半年急速な景気後退のためか、患者さんから仕事探しについて、相談をうけたり一緒に考えたりすることがことさら多くなってきました。
とくに高校生や大学生で、これから仕事を探したいと思う方。現在失業中の方からも、多く聞かれます。また仕事をしていて、転職先を探したいという方からもです。
私は、就職の専門家でもないので、心の問題の専門家として話をするほかないのですが、気になる点があります。それは自分のしたいことを抜きに就職を考える方がいらっしゃることです。
相談をなさる多くの方が、仕事を求めるために「資格を取って」とおっしゃることが多いのです。どうやら、資格や、就職口についてアドバイスをしてくれるかたはたくさんらっしゃるようです。
私も資格をはじめ、自分の能力を磨くことは大切だと思います。
はい、私も専門職ですから、この努力をしないで今の仕事をしていくことは出来ません。
仕事がないので資格を取りたいとおっしゃる方には、わたしから質問しております。
たいてい「本当にしたい仕事は何ですか」とか「どんな仕事をやりたいですか」、、、
これで答えが返ってこないときには「どんなことに興味がありますか」と。
もちろん「好きなこと」だけやっていれば就職に結びつく可能性はとても少ないかもしれません。
一方で、資格や今ある就職口がどれだけ役に立つのかは、数年先を考えるとよく分かりません。
その時代ごとの「花形企業」ってありましたよね。でもそれがずっと続くかというと、、、続いていない方が多いのではありませんか?
将来の経済状況はだれにもよく分かりません。結局は今の状況で仕事を探さなければならないのでしょう。
ただし、仕事選びの基準に注意をしていただきたいので以下の説明をしています。
1.社会や会社から求められていること(仕事)
2.自分の能力
のふたつに加え
3.自分のやりたいこと
を加えて考えていただければと思います。
上記1.2.だけで考えて仕事探しをすると、嫌いだけど、能力があって出来てしまう→仕事が見つかってもストレスがたまる。となってしまうのではないかと思います。
上記の1.3.だけに焦点を当てても2.の能力がなければやっていくことが難しいでしょう。
1.2.3.とバランスよく考えられればいいですねとお伝えします。
もちろん、このご時世で理想通りの仕事先を探す事は出来ないかもしれません。もしそうだとしても、仕事探しを通してご自分の将来を考えるきっかけにしていただきたいと願っています。
2009.7.20記
当院の診療中によく患者さまから聞かれる質問がございます。
Q1.漢方薬を出してもらえますか?
Q2.サプリメントを飲んでいいですか?
Q3.薬を飲みたくないんですが、カウンセリングだけで治してもらえませんか?
お話を伺っていて、おそらく、一般的な薬物療法というと、なんだか怖いのだろうなぁと思います。また、漢方薬、サプリメント、カウンセリングには副作用がないか少ないと思われているのでしょう。
当院でよく使うお薬は、向精神薬(抗うつ薬、睡眠薬、精神安定剤など)ですが、いずれも、厚生労働省が認可したものばかりです。それでも副作用もございますので、お薬の説明を致します。特に依存性の問題をご心配になるのでしょうが、医師の指示通り飲んでいれば安全である薬がほとんどです。
また、薬物療法も含め、環境調整、物事のとらえ方や対処法を含め、様々な治療法がございます。そのなかから患者さまにあっているだろう治療法を、医師は患者さまと一緒に考えていくものです。
さらに特にうつ病のような疾患ですと、抗うつ剤を使った方が改善が早いことも知られています。
この誤解が解けると、抵抗が無くなる方もいらっしゃいます。
一般的な治療についてご理解いただけたら、上記質問にお答えしていきます。