カウンセリングの裏舞台
今回はカウンセリングのトレーニングについてお話しいたします。
裏舞台ですから、あまり役に立たないお話かもしれません。ご興味のある方のみご覧下さい。
心療内科や、精神科医師の中でカウンセリングのトレーニングをきちんと受けている方というのは案外少ないものだということをご存じでしたでしょうか。
現在は生物学的精神医学といって、主に薬物療法などが、主流になっているのです。
カウンセリングのトレーニングでは、どの流派もほとんど以下の3つを行っています。
1.理論の勉強
2.カウンセリングの実践と、指導者からの指導(スーパーヴィジョンといいます。)
3.自分自身が治療を受ける体験
実は、この3がみそなのです。
1.は普通やります。
2.は頑張れば出来るかもしれません。
3.までやっている人は少ないのではないでしょうか。
自分自身の治療を行うと、良くも悪くも、気持ちが揺れ動きます。非常にわくわくしてきたり、孤独を感じて寂しくなってきたり、過去のことを思い出して恐怖を体験したり。
トレーニングの課程で、そのようなことを、治療を受けながら解決していくのです。だからこそ、カウンセリングの利点や欠点、そして怖さも知っております。
当院にもカウンセリングで治したいとおっしゃる方がいらっしゃるのですが、その場合でも、一般的な治療を説明した上で、治療方法を決定していきます。
これは、私自身カウンセリングの限界を身をもって体験しているからです。
カウンセリングのトレーニングは、一生続いていきます。
これからも、患者さまのお役に立てるよう、当院職員一同継続的に勉強して参りたいと存じます。
八戸マナクリニック 心療内科 精神科 院長